いつもニコニコ、ちょっぴり天然な片野選手。みんなに愛され"リサマックス"の愛称でお馴染み!その片野選手が9月18日の飯塚ミッドナイトで念願の初優勝を飾りました!デビューから10年、どんな優勝戦、どんな想いだったのか、今後の目標などお話していただきました。
(取材日:2023年10月20日)
インタビュー / AKI
AKI:デビュー初優勝おめでとうございます!!
片野:ありがとうございます!!!あんなタイミングで出来るなんて。全然成績が良くない時にポンっと取れた事が今でも不思議です。最初に優勝が決まった時はとにかくホッとしましたね。あとは、いつもの1着と同じような感じ。実感の湧かない1着、優勝でした。
AKI:お話にも上がりましたが、なかなか苦しいレースが続いてましたよね。
片野:そうなんです。最近は本当にボロボロで。優勝した後も全然勝てなくて。本当にあの節だけでした。今年の4月に飯塚で落車してから、立ち上がりでグリップを開けても進まない。とにかく車速がないという状態。そんな状態で優勝した節の初日もボロボロ。引きちぎられて7着。とりあえずやれることからやろうと思って、川原さん(川口26期:川原剛選手)と話し合いながらエンジンを扱って。扱ったと言ってもセッティングの範囲内。そうしたら少しずつ上向いて。2日目は上がりタイム3.4台が出てまず一安心。そして、1番すごかったのは3日目ですよね。ヘッド周りを少し扱ってレースに行ったら上がりタイム3.413!本当に少しだけしか扱ってないので驚きましたし、試走3.41だったのでお客さんには本当に申し訳なかったです。まさかあんなタイムが出るなんて。周りの選手に「リサマ、タイムギリギリだったぞ!3.413!」と言われたんですが、冗談だと思って「そんな出てないですよー!」なんて言ってたら本当に出てて。「えぇ!?」と驚きました。周りにいじられてるだけだと思ってたので(笑)なんであんなに出たのかは今でも不思議です。
AKI:ご自身の体感的にはどうだったんですか?
片野:確かに体感はいつもよりも競走車が寝てる感じはありましたが、そこまで乗りやすいわけでもなく。ただ、車速はいつもより出てる感じはありましたし、とにかく突っ込みでクルマが寝てる感じがありました。あとは2日目はずっと後ろの選手の影が見えてる気がして。本当はいないのに(笑)余計に必死に走っての3.413だったのかもしれません。
AKI:そんな状態で迎えた優勝戦はいかがでしたか?
片野:いつも優勝戦は緊張しちゃって。しないようしてても緊張するし、周りの方にも「いけるぞ!」と言われることもあって。けど、初優勝した時は自分に「優勝した!」と暗示をかけていました。「もう優勝したから緊張することないじゃん!」と言い聞かせていたんです。そうしたら不思議と緊張しなくなって。まさか本当に優勝出来るとは思っていませんでした。今回で21回目の優出だったみたいなんですが、そんなに優出してて優勝出来ないって!と思いましたね。ここまで色々ありましたが、今回は「優勝した、優勝した」と自分に言い聞かせて落ち着かせたことが良かったみたいです。みんなには「その時の流れがあって取れる時は取れるんだよ。」と言われ続けていました。そして、みんなが言う"優勝出来るタイミング"が分かりました。
AKI:優勝戦、スタート振り返っていかがですか?
片野:あの時は隣の野田さん(浜松24期:野田光宏選手)のスタートが良くて。練習でもいつも先行されていたんです。だから、優勝戦前にクラッチを扱って練習して。自分が納得するまでタイミングも練習していったらレースもそのタイミングで切れて。練習の甲斐がありました。
AKI:先頭を走り続け、最後は角南選手(山陽27期:角南一如選手)が迫っていましたが気づいていましたか?
片野:実はずっと影だと思ってて(笑)2日目のことがあったので影は見えるけど気のせいじゃないかな?と思ってたんですが実際は後ろにいました。本物の影でした(笑)
AKI:ゴールした瞬間というのはどうでしたか?
片野:ホッとしたというのと、周りを安心させることが出来たのかな?という感じ。以前、優勝戦の最終回で雅人さん(川口28期:中村雅人選手)にやられた時があったんですが、黒岩さん(川口26期:故黒岩明選手)が自分以上に悔しがっていて。なので「今回優勝出来て喜んでるかなぁ〜?」とか思っていました。派閥のおかげでもあり、黒岩さんのおかげでもあり、本当に皆さんのお陰ですね。
AKI:優勝戦後のウイニングインタビューでは「涙が出るかと思っていましたが出ませんでした!」と仰っていましたよね。
片野:そうなんです。嬉しいがすごく出ちゃって。あとやっぱりホッとしたのが大きかったです。レース後にInstagramを見たら摩弥さん(川口31期:佐藤摩弥選手)が泣いたと知って。もし摩弥さんが同じ開催にいたら泣いちゃってましたね。レース後はみんなが喜んでくれて。おめでとうの連絡もとにかく凄くて通知が止まりませんでした(笑)最近連絡をとってなかった人からも連絡が来たりとか。一生分のおめでとうをもらった感じですね。
AKI:初優勝が飯塚オートとなりましたが、飯塚のイメージはどうなんですか?
片野:飯塚は好きなレース場です。2級車の時から良いイメージで、タイムも出ていました。1級に乗り替わっても相性が良くて。そこで優勝できたのも嬉しかったですね。
AKI:デビューから優勝まで10年は長かったですか?
片野:長かった...(笑)けどあっという間のような。今まで何回も優勝のチャンスがあったのになんで今回なんだろうと思います。調子が良い時で「チャンスだよ!」と言われた時に優勝できなくって、凄く悪い状態の時にポンっと優勝できることは本当に不思議です。優勝した後も悪く本当に謎。けど、11月、12月とまた飯塚で走るのでそこで良くなるように整備を進めたいと思っています。
AKI:片野選手は元々バイク経験者ですよね?
片野:そうです。バイク経験でいったら12、3歳から乗ってるので17、8年も乗ってます。ずっと走ってずっとレースして、モータースポーツ漬けですね。人生の半分はバイクに乗ってます。バイクの前は空手やバスケもやってたんですが続かなくて。唯一続いたのがバイクだったんです。ハマってさらに職業にまでなっちゃいました。
AKI:オートレーサーを目指すようになったきっかけはなんだったんですか?
片野:オートレース自体は中学生の時に図書室の教員にオートレースの話をされたことがあって。FAXで選手の応募書類をもらったんです。けど、当時は実際にオートレースを見たことがなくどんな競技かは理解していませんでした。2回目は高校卒業した後、ロードの監督に「オートレーサーの募集やってるよ。やってみたら?」と言われて。そこから実際に船橋オートに見に行ったんです。その時に丁度穴見さん(山陽12期:穴見和正選手)がレースをされていたんですが、1人だけロードみたいな走り方をしていて!みんな重心が外なのに穴見さんだけ内、コースもインだし、それで速いし。穴見さんのインパクトがとにかく強かったです。そこから受けてみようと決めて受けてみたらまさか1回で受かってびっくり。自分から自発的に、というよりは周りの方に道を作ってもらった感じです。高校生の時に「白バイ隊どう?」と言われたこともあったけど学力も足りないし、自分の性格じゃ絶対取り締まれないです、弱いから(笑)なので、オートレーサーになれて良かったです。ここまで10年、一度も辞めたいと思ったことはないですし、やっていくものだと思っていました。バイクを始めたきっかけは親だったんですが、バイクを乗ることも、学校以外の友達もできていくことも楽しくって。世界が広がっていく感じですね。レースも周りの友達も好きで。そして、今はオートレーサーになって。オートの世界は体育会系で上下関係も厳しいですし、浮き沈みもある。そうなると自然と鍛えられますよね。新人のころはとにかく必死すぎてあまり覚えてないです。今思うと本当に大変でした。けど、だからこそ自分が成長できたと思います。きつい事があっても「これしかない!」という感じでしょうね。オートレーサーになれて本当に良かったです。あとは、お客さんにお金を賭けてもらうっていう今までにない感覚。ロードレースも自分だけじゃないんですが、またちょっと違うというか。お金を自分に賭けてくれてるっていうのは、やっぱりプレッシャーにもなります。みんなそうだと思うんですが。
AKI:その人気に応えての初優勝でしたね!
片野:本当によかったです!!船橋の頃からずっと応援してくださる方もいますし、応えることが出来て嬉しかったです。毎年目標は「優勝すること!」と言っていたので達成できてよかったです。
AKI:そうなると次の目標です!
片野:普通開催で優勝することです!みんないる前で優勝して、お客さんの前で表彰式をしたいです。また頑張ります!!まずは今の良くない状態から抜け出せるようにとにかく手を動かします。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。
片野:みなさんの支えがあってやっと優勝することが出来ました。今回はミッドナイトで優勝したシーンを見せられなかったことは残念ですが、SNS等でお祝いのメッセージを頂いてとても嬉しかったです。やっと皆さんに恩返しができたかなと思っています。最近調子が悪いんですけど、また元気なレースが出来るように手を動かして頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします!
(写真は飯塚オートレースSNSより)
福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。
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