伊勢崎所属の37期。2月にデビューしたばかり。37期養成所最優秀賞ということでデビュー前から注目を集めていました。そして、デビューから初優勝まで負けなし。デビュー最速優勝記録を更新、さらに連続優勝、デビュー連勝記録までも更新!オートレース界にスーパールーキーが現れました!そんな浅倉選手にいろんな話しをお聞きしてきました。
(取材日:2024年2月29日)
インタビュー / AKI
AKI:デビューから負けなしの10連勝で初優勝、完全Vおめでとうございます!
浅倉:ありがとうございます!初優勝の節は勝ち上がり権利が出て、デビュー節の時とは違う気持ちというか「優勝戦まで行ってやるぞ!」という気持ちがありました。
AKI:デビュー戦は緊張はありませんでしたか?
浅倉:緊張はなかったんですが、試走で風が強く再試走になってしまって迷惑をかけてしまいました。「伊勢崎の風は名物だよ。」とは言われていたんですが「ここまでか!」と驚きました。風を味方につけるのは大変です。けど、その中で1着を取れたのは自分の考えもありましたが、周りの先輩のアドバイスがあったので参考にしつつ少しずつ良くなっていった感じ。デビュー戦で1着取れてホッとしましたしやっと始まったなと安心はしましたね。
AKI:浅倉選手は37期養成所最優秀選手ですが、プレッシャーはありませんでしたか?
浅倉:プレッシャーしかなかったですね。正直苦しかったです。他のレース場の37期が先にデビューして伊勢崎が最後のデビュー。優秀賞の2人(飯塚37期:福岡鷹選手、浜松37期:森下輝選手)がやりすぎというか(笑)最優秀のレベルを上げないでと思ってたんですけど、同期の活躍は嬉しかったですね。37期はここまでのレベルというのを見せてくれたので「自分もやってやろう!」という気持ちになれてありがたかったです。けど、ちょっとやりすぎです(笑)優秀選手以外でもポンポン1着を取っていくから、「こんな期なかなかないんじゃない?」と言ってもらえて嬉しかったです。
AKI:そんな中、勝ち上がり権利が発生してからの節を振り返るといかがですか?
浅倉:デビュー節と比べると競走車を扱う時間は長くなりましたね。全然違いますね。師匠(伊勢崎25期:竹本修選手)や兄貴分の康さん(伊勢崎32期:松本康選手)と話し合って「こうじゃないか?」と色々アドバイスをいただいて。「これから1人でやっていかないといけないから自分でもやってみろ。」と言って頂けたので、自分でいろんなセットを試して練習して、戻ってきてはセットして練習してを繰り返していました。1走1走、今持っている引き出しを全部出せるように競走車を触る時間は増やしました。デビュー節はまずは環境に慣れることがメインでしたが、勝ち上がりが発生してからはしっかり車に向き合えてたと思います。
AKI:エンジンを扱うことに関してはどう感じていますか?
浅倉:教えてもらいながら触っている感じ。まだ多くは扱ってないんですけど、なんとなく音の感じとか、ここを扱うとこういう変化をするというのを教えてもらっていたのでそれを参考に扱ってきました。
AKI:そんな中、勝ち上がり権利が発生した節のレースはいかがでしたか?
浅倉:初日、2日目とそこまで緊張せずレースに臨めました。やってやるぞという気持ちはもちろんありましたが、自分はスタート切って前を走り続けるだけだと思っていたので、スタートからしっかりグリップを開けて走ろうと思っていました。
AKI:準決の上がりタイムは3.397と好タイムが出ましたね!
浅倉:自分は試走がでないで有名。初日で試走戒告をもらっていて、レース後師匠に注意されて。そこから試走の練習もしたんですけど、それでも準決も試走タイムが出なくて。準決で勝ってロッカーに戻ったら派閥の皆さんが心配そうにしてたんですよ。「1着おめでとう!」よりも「お前さ...。」と。まだ競走タイムが出てなかった時だったので「これ2回目の戒告で帰るぞ。」と言われてたんです。結果的にはほんの少しの差でセーフ。師匠は「良かったけどさ...。」という感じ。準決をクリアできたというよりもそっちの印象の方が残ってますね。多分なんですけど、試走タイムが出ない理由がフロントタイヤの当たり付けが甘いみたいで、高すぎて試走で失敗してしまうというか。本走ではちょうどいい高さになってるのかなっと思っています。なので、経験不足ですね。そこを修正して試走からタイムを出せるようにしていきたいです。
AKI:優勝戦では試走3.34というタイムが出ました!
浅倉:そうですね。優勝戦のタイヤは準決と同じフロントタイヤだったのですんなり試走ができたんだと思います。
AKI:優勝戦、緊張はありましたか?
浅倉:緊張はここで出てきましたね。自分はあまり意識はしたくなかったんですが、周りの方からの青山さん(伊勢崎31期:青山周平選手)のデビュー最速優勝記録のことを言われていて。自分の走りをすれば勝てると思っていたんですが、周りの期待が高すぎて「応えられるかな?」という部分で緊張感がありましたね。なので、自分では勝てると言い聞かせていました。
AKI:結果的にスタートして6周回しっかり逃げ切れました!
浅倉:そうですね。落ちついて。けど、森村さん(伊勢崎29期:森村亮選手)が来ていて、スリッパとエンジンの音がカラカラ、ゴー!と聞こえてきてて。「やめてー!!」という思いでした(笑)
AKI:初優勝!ゴールした瞬間はいかがでしたか?
浅倉:もう、本当にホッとしましたね。やっとオートレーサーとしてスタートしたと。ロッカーに戻ったらすぐに記録のことも言われて(笑)「次節も楽しみだね!!」と。「もう次節の話か!!」となりましたね(笑)けど、デビュー最速優勝記録更新は嬉しかったですし、自分が37期最優秀だからやってやんなきゃ!という気持ちもありました。なので、初優勝、記録樹立は嬉しい、ホッとしました。
AKI:飯塚の福岡選手なんですが山陽で連勝が途絶えた時「浅倉に優勝先越される!」と思っていたらしいですよ!
浅倉:(笑)けど、福岡は天気が天気だったんで。凄く意識してくるんです。自分はあんまり意識したくないんですが(笑)けど、自分が優勝したあとしっかり優勝してましたもんね。福岡凄いんです。
AKI:その後、すぐに開催がありまた優勝!デビューから連勝記録を13に伸ばしました!ハンデも下がる中、初日から振り返っていかがですか?
浅倉:ハンデが重くなって、初日からスタートで叩かれてしまいました。朝練も沢山いってたんですが"13連勝"というのがどこか引っかかってて「フライングだけはダメだ!」という気持ちが勝ってしまっていました。結果、0.25というスタートタイミング。「寝てただろ!」と周りの方に言われました(笑)流石に起きてましたが緊張してましたね。ただ、自分のレースの前に森下が負けてしまって。一緒に優勝戦を走ることしか考えてなくて、自分が13連勝するか、あいつが止めるかだけを考えていました。なのでその分自分がという思いで走りました。スタートも行かれるという想定もしながらどんな展開でも良い走りができるよう構えて。その中で、スタート行かれても逆転できたというのは、他の選手に「逃げるだけじゃないんだぞ!」というのを見せつけられたんじゃないかなと思います。あのレースで「お、こいつやるじゃん!」という風に思ってもらえたらいいなと思いました。
AKI:その逆転をした1周回3コーナーの突っ込み凄かったですよね!
浅倉:自分でも「突っ込みすぎた!曲がれるかな?」と思ったんですが、なんとか曲がれてそこからはそのスピードに乗れたんであとはそのまんまの勢いで走りました。ただ、準決のスタートも0.20タイミング。寝てはなかったんですけど(笑)練習ではうまくタイミングから切れてるんですが、いざレースになると遅くなってしまって。慎重になりすぎてますね。まずは0.15あたりで安定するように切っていきたいです。
AKI:2度目の優勝戦、記録も期待される中どうでしたか?
浅倉:記録、記録ばっかり言われちゃって。同じ優勝戦に乗ってた金山さん(伊勢崎27期:金山周平選手)にタイヤ削りをするところでお会いして「お前を止めるのは俺じゃ!」と言われたんです。こうやって意識してもらえてるんだなと思うと嬉しくて。それだけ目立つレースをできてるということは自分が乗れてる証拠だなと思いました。
AKI:1度目の優勝戦で緊張が出てきたと仰っていましたが、2度目はどうでしたか?
浅倉:もうバックバクでしたね。1回目よりきつかったです。前回と同じ試走タイムは出てたんですが、ハンデが縮まって、自分より試走タイムが出てる人が初優勝の時より圧倒的に多かったし、哲也さん(伊勢崎34期:石川哲也選手)が3.25というタイムで風速も8mあって、色々考えてしまいました。その後もピットではレース展開ばっかり考えてパンパンな感じ。これはやばいと思ってしまいました。なので、自分で「落ち着け、落ち着け。」と思い続けてました。
AKI:やはり2級車は風が強いと大変ですね。
浅倉:本当に大変です。2日目が1番強かったんですがヘルメット飛んでいくかと思いました(笑)あとは、向かい風だと進む感じがなく、どうしたら良いんだろうという感じ。ただ、優勝戦の方が風が弱かったので2日目よりは乗りやすかったですね。
AKI:そんな中、優勝戦のスタートしっかり決まりましたね!
浅倉:0.18と0.1台に入っていましたし、上手くクラッチも繋げてそのまま伸びて行ってくれました。後ろの選手と距離が縮まらなかったので良かったと思います。スタート切ってからゴール線までの直線は速い方だと思います。そこからは思い切って1コーナーに飛び込めば戦えると思っていました。そこからの6周回ですが、1回目よりも長かったですね。前回は後ろの音を気にしてるせいか早く感じたんですが、今回はちょっと距離があった分、風との戦いというか1人で淡々と走るというのが長く感じましたね。1人で淡々と走るのは苦手ですね。
AKI:その長い6周回を逃げ切った時はどんなお気持ちでしたか?
浅倉:なんとか振り切れましたね。2着は金山さんで、レース後に自分を見つけてくれて「参りました!!」と大きな声で言っていただきました(笑)こちらも気持ちよく「ありがとうございます!」ということができました。ほんと最高です。
AKI:レース後はガッツポーズが出ましたよね!
浅倉:そうですね。けど、哲也さんが転んじゃってあんまり大きくガッツポーズはよくないかなとは思ったんです。それでも連続Vでガッツポーズをしないのもあれかなと思って小さめにガッツポーズをしました。「よしっ!」という感じで軽くさせてもらいました。それくらい嬉しさはありました。
AKI:初優勝最速記録、連続優勝、デビューから13連勝、記録更新となりましたがいかがですか?
浅倉:前節に言われたところまで自分が持っていけたこと素直に嬉しかったですね。皆さんが期待してくれた通りというか、それに応えられたので嬉しかったです。
AKI:ウイニングランを2度もしていますが、ウイニングランはどうでしたか?
浅倉:もう凄いっすね。例えようがないというか。1回目は涙を堪えて。2回目の時は「前回が遅すぎたからもっと早く走れよ。」と言われていたので少し早く走って。けど、お客さんが「おめでとー!!」と言ってくれることに対して「ありがとうございます!」と返すだけなんですが、なんか温かさを感じて。「俺ちゃんと優勝できたんだなぁ。」と思いながら、風のせいにして少し涙が出ちゃいました。ウイニングラン後半、パンダの前を通るあたりがやばかったです(笑)
AKI:早くも注目の的になりました。今後はどんな走りをしたいとか目標は考えているんですか?
浅倉:目標は大きいレースに出れたら嬉しいですね。自分の1期上の栗原さん(浜松36期:栗原佳祐選手)はSGグランプリに出てたので、そういう大会に自分も呼んでいただけるような選手になりたいというのが最近の目標ですね。
AKI:ここまで連勝を続けていますが、課題というのはどこに感じていますか?
浅倉:試走とスタートですね。とにかく試走戒告をしないよう。レースで速いだけではダメなのでちゃんと直していきたいです。あとは、周回重ねてのラップタイムが安定してないと思うんです。自分の弱いところ。今後、同ハンや自分の前に選手がいることがあるかもしれないので、今のコースは走れなくなる。違うコースで走る練習をしつつタイムも出せるように。「こいつはハンデが下がっても強いんだ!」と思われたいんで課題にしていこうと思っています。「ハンデありきで勝ってるんじゃん!」と言われると悔しいので。
AKI:37期特設サイトのプロフィールに「常識を覆します!」と書いてありましたが、まずは新記録樹立など常識を覆したんじゃないですか!?
浅倉:覆せましたかね!?そうだと嬉しいですね!自分で言ったものの「どうやったら常識って覆せるんだろう?」と思っていて(笑)記録を作れたことは嬉しいです。今後は2級車でハンデを背負って戦って勝つことが重要。2級車でハンデがあるってカッコいいじゃないですか。この前のレースでは村瀬さん(飯塚36期:村瀬月乃丞選手)が8号車から走っててめちゃくちゃカッコよくて。「2級車で8枠ってなんだよ〜!!」て。自分もそうなりたいです。「コイツ勝てんのかよ!?」という位置から勝って「凄い!」と言われたいし見てもらいたいですね。今後も一走一走全力で頑張ります。
AKI:ちなみに、車名の「ドリーメンJ」というのはどういう意味なんですか?
浅倉:夢という意味の"DREAM"に"EN"足して「DREAMEN」。夢見る男、夢を掴む男という感じで勝手に作りました。そこに名前の樹良の「J」をつけて"ドリーメンJ"にしました。
AKI:まだまだ始まったばかりのオートレーサーとしての人生ですがいかがですか?
浅倉:いや〜幸せですね、毎日。賞金があって選手の皆さんと「ああじゃない、こうじゃない」と話しながらバイクの仕事ができることは自分にとって幸せですね。バイクでご飯を食べていきたいと思っていたので選手になれてよかったです。師匠や兄貴分もみんな優しくてすごく良い環境。なので、結果で恩返ししたいと思っています。やってもらった分、やってもらった以上のことを結果で返していきたいです。今の結果は全て派閥や色んな人のお陰。感謝しかないです。
AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。
浅倉:今後も一走一走全力で走って、レースで目立つ走りをしたいと思います。浅倉樹良の応援をよろしくお願いします!!
(写真は伊勢崎オートSNSより)
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