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オートレース選手インタビュー
GII初制覇!女子デビュー最短グレード優勝記録も大幅更新!|小椋 華恋選手
2024年7月 4日

2024年5月26日、GII川口記念で女子レーサーに新たなグレード覇者が誕生しました。さらに、女子レーサーデビュー最短グレード優勝記録を樹立!デビューから2年5ヶ月17日。佐藤摩弥選手が持っていた記録を2年5ヶ月も更新しました。今年はSGオールスターでも1着を取るなど著しい成長を見せる小椋選手にお話をお聞きしました。

(取材日:2024年6月8日)

インタビュー / AKI

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AKI:グレードレース初制覇、おめでとうございます!優勝してお気持ちいかがですか?

小椋:ありがとうございます!私なんかが記念獲っちゃって...みたいな。そういう選手なのかな?とまだそんな感じです。この感じはずっと変わらないですね。けど、とにかく嬉しかったです!運を持ってるというのもあると思います。これは少し前のオールスターから始まってて、開催4日目にSGの舞台で1着。しかも1着条件の最終予選で準決に進めたのは嬉しかったです。SGへ万全の状態で臨んだとしても8着の可能性はある。それでもオールスターという大会はファンの方に選んでもらって出られる大会。いつも以上に気持ちを入れて頑張ろうとは思っていましたが、自分の今の全力を出してまさか準決に行けるなんて思ってなかったのでびっくりです。

AKI:オールスター前からの着取りも良かったですが、車の状態はどうだったんですか?

小椋:SGの前の節は予備車のノアの方に乗っていて、SGはルナをオーバーホールしてピストンなどを交換して良い状態に合わせて輸送しました。飯塚で乗ってみたらセットもずれることなく凄く良い状態。うちのルナが優秀なんです(笑)けど、ノアの方もめちゃくちゃ良くって。GII川口記念を勝てたルナは一度休ませて、今後はノアを出していこうと思います。去年も夏場はノアで冬場はルナにしてという感じでした。まだまだ人間が成長しないといけない。競走車以前の問題なので夏場は苦手ですが頑張りたいですね。ルナもキャブを合わせるくらいで動いてくれてるので人間が頑張ります。うちの子はとにかく優秀です!

AKI:良い車が2台あるというのは気持ちにも余裕が持てますね。

小椋:そうですね。同期の佐藤励(川口35期:佐藤励選手)が空ぶかししても「これはずるい!」というくらい。励って凄くてパーツ変えたりかなり手を動かすタイプなんですけど、自分はセッティングをちょこっとというタイプ。部品は定期交換部品くらい。後はキャブレターの調整くらい。なので、競走車の素材が良いんだなといった感じです。本当に運が良いですね。

AKI:車も良い状態、オールスターでは準決まで進み良い経験になったんじゃないですか!?

小椋:レース前に準決に乗ってる選手を見て「準決の前はこういう整備をするんだ。」とかそういう面で凄く勉強になりました。私だと、「準決乗れたしエンジンステイで!」となっちゃうんですけど、SGになるとそこから大きなパーツ交換をしたり新品のパーツを入れたり、「こういう整備するんだ!」とびっくりしました。こういう時こうやって整備するんだと本当に勉強になりました。

AKI:SG終わった後も着を残して、そしてGII川口記念が始まりました!

小椋:変わらず動いてくれていましたね。基本的に大きなことはしないのでリング交換くらい。後はキャブのセッティングを詰めていくという感じ。大体この感じでどこのレース場でもバチっと合うのでルナが凄いんです(笑)ルナがこれだけ凄いので私が頑張らないと。後は、エンジンよりフレーム周りを扱ってとにかく乗りやすく、人間が全力を出せるようにしています。なので、準決が終わってからフォーク周りを新品にしたりしました。バック修正だったりフレーム周りをとにかく自分が乗りやすいように。車が良いのでグリップを開ければ速い、開けられるように乗りやすい車を意識して作っています。

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AKI:川口記念初日から1着とやはり良い状態でしたか?

小椋:エンジンは凄く良かったです。SGの時に走るコースを自分なりに分析して試して勉強したらそれから格段に抜かれなくなったんです。後は同期にも相談して。以前はレース後半が苦しかったですし、今も自分が崩れていってしまう感じがあるんですが、ステップや膝当ての位置を色々研究してだいぶ乗りやすくなりました。ちょっとずつちょっとずつ頑張ってます。

AKI:3日目の特別予選は7着と惨敗しましたがどうされたんですか?

小椋:初乗りのタイヤで行ったらものすごいドドドがきちゃって全く扱えませんでした。タイヤの失敗ですね。試走からドドドがきていました。次の日は初日、2日目使った残り1走のタイヤで。2着を取れて優勝戦に進むことができました。

AKI:優勝戦が決まった時はどんなお気持ちで、優勝戦までどのように過ごしていたんですか?

小椋:まさか優勝戦に行けるなんて思ってなかったので「ええ?私?」みたいな感じ。優勝戦の日はリングを交換したりバック修正したりといろんなことをしていました。ただ、一緒に走る選手のレベルが違うので、いつものように「ステイ」にしたって勝てる相手じゃない。だからこそ色々やってみようと思い手を動かしました。

AKI:初のグレードレース優勝戦の舞台。スタートラインに立つ時はどんな思いでしたか?

小椋:お客さんの声援が凄くてそれに感動しました。自分がオートレースに惹かれたキッカケがお客さんの声援。なかなか気づかない時もあるんですが、さすがグレードレース!という感じで凄かったです!私の名前を呼んでるのも聞こえてそれだけで泣きそうでした。「うわ〜これこれ!!」という感じ。

AKI:レースはスタートしてから8周回逃げ切りましたが振り返っていかがですか?

小椋:いや〜長かったですね(笑)「次のコーナー来るな。きっと入ってくるな。抜かれるな。」ばかり考えていました。ビジョンを見たらコースが狂ってしまうので見れなくて。後は、誰が後ろにいるとか分かっちゃうと緊張しちゃうので見ないように、ひたすら走っていました。そうしていると最終コーナーに入って「え!?まじで!?」みたいな。「嘘でしょ!!?」と。優勝の意識はなかったですね。自分の目標は3連単に絡むこと。それを意識して走ってるんで優勝できるとは思ってなかったんですが「3連単には絡みたい!」と思っていました。応援してもらえるようになるにはお客さんにどんどん還元していくことだと思ってるので「3連単に絡む」という目標はデビューしてからずっと考えながら走ってます。

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AKI:結果、"優勝"という最高の形になりました!

小椋:いや〜本当にびっくりですね。まず試走3.29ってなに!?となってました(笑)冬に試走3.29は出したことあったんですが、この時期に出せたのはびっくり。間違ってない?と(笑)けど、エンジンの手応えはかなり良く、初乗りのタイヤもハネもなく。後は人間がやれることだけ頑張ろう!という気持ちで走っていました。とにかくグリップを開けて開けてを意識して。車が良い分余裕を持って突っ込めるし、車が帰ってくるし凄く乗りやすいバイクでした。ルナが最高に仕上がってくれてました。なので、私は開けて頑張るだけ。今最高に良い状態なので、この良い時期に人間が成長していかないとという気持ちです。

AKI:改めて、ゴール線切った時の気持ちはどんな感じだったんですか?

小椋:「え!まじ!!?そんなことある!!!???」です(笑)あの日は風が強く試走後に励が「風が強くてうまく乗れない。」と言ってたんですが自分はその風を感じなくて。風を感じないくらいエンジンが良かったんだと思います。

AKI:「え!まじ!!?」からのウイニングランはいかがでしたか?

小椋:優勝してのウイニングランは初めてで。お客さんが誰もいなかったらどうしよう!と思っていたんですがすっごい声援、「おめでとう!!」と聞こえて泣きそうでした。「うわ〜感動!!!」と。本当に嬉しかったです。その後の表彰式でもたくさん「おめでとう!」と言ってもらえて「こんなに言ってもらえるんだ、嬉しい!!」となっていました。本当に凄かったです。

AKI:さらに同じ日には弟の小椋藍さんがスペインで行われていたMotoGPで優勝!凄い1日になりましたね!!

小椋:そうなんです!!自分が優勝して戻ってきてヘルメットを脱ぐ前に岩田さん(川口31期:岩田裕臣選手)が「藍も勝ったよ!!!」と教えてくれて。「嘘でしょ!!?」とここでもびっくり。こんなことがあるとは!自分のつなぎのお尻の部分には「姉っち」と入ってるんですが実はロードの世界では「姉っち!」とみんなから呼ばれています。オートの方では全く浸透してないし、オート選手になったこともロードの方には基本言ってないんです。というのも弟が恥ずかしくないくらいの選手になったら"オートレーサー"と言えるかなぁと思って。それこそこの間まではB級で速くなくって。そんな中、「世界ランク2位のお姉ちゃんです!」とは言えない。けど、こっそりとという感じでツナギにも入れてみました。ただ、自分の評価凄く低いんですよね。自分でも評価を高くしたんですけどそれが分からなくて。成績が良いのも競走車のルナのお陰なので。なのでこっそり(笑)

AKI:競走車のお陰と何度もおっしゃっていますが、自分自身の今後の課題や目標はなんですか?

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小椋:今後、ハンデが下がっていくと思うんですけど、とにかく3連単に絡めるようにを絶対に意識してレースをしていきたいです。これはずっと目標なので。今まで人を抜くレースをしてきてないので、人を捌くということが大きな課題になっていくと思いますが、この目標を意識して走っていればおのずと上にもいけるのかなと思っています。

AKI:女子レーサーグレード初制覇最短記録を大幅に更新しましたがいかがですか?

小椋:後輩たちが大変ですね(笑)けど、私の記録を全部すずちゃん(川口37期:菅原すずの選手)に抜いて欲しいと思ってるんです。グループは違うので直接教えることはないんですが、すずちゃんから私の記録を抜きたいと直接言ってくれて。だから「私ができることはなんでもするから絶対記録を抜いてね!」と言っています。そしたら今回また新たに記録を作ったので「増えちゃったね(笑)」という話になりました(笑)けど、後輩がこうやって目標にしてくれるのは本当にありがたいです。なので、すずちゃんが今度乗るエンジンは私が初優勝したエンジン。2級車のクルミです。それに乗ってドカーンと記録を超えてくれたら嬉しいですし楽しいですね。たまたま今の記録を私が持ってるだけで執着はないですし、速い女子選手が増えると業界が盛り上がって良い流れができると思うので頑張って欲しいです。

AKI:ところで、可愛い車名が多い気がするんですが何か意識されているんですか?

小椋:全部女の子の名前にしてます。ルナはスペイン語で月という意味なんですが、私が初優勝した時に綺麗な月が出ていて。優勝戦のスタートラインに立った時に「今日月がめっちゃ綺麗!」というのを覚えていて。その流れで「ルナ」にしようと考えていました。車名を女の子の名前にしようと思ったのは愛着が湧くかなと思って。対人くらいの気持ちでバイクに接しています。最初の「ベローチェ」はお世話になったチームからとって、後は女の子の名前にしています。これからも女の子の名前でいくつもりです。

AKI:それでは最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。

小椋:これからも3連単に絡んで、観てて面白いレースができるように頑張ります!

(写真は川口オートSNSより)

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