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ばんえい記念取材後記(3)

2023年03月30日

さぁいよいよ大一番、ばんえい記念!
とにかくタフな馬場状態でしたから、今シーズン、特に後半からの超絶軽い馬場で戦って来た馬たちが、この状況で1トンを曳くのは厳しい挑戦になるだろうなと想像していました。
夢を託したのはメムロボブサップ。
今年に入ってから勝ち切れていませんでしたが、常に重い重量を曳いて来ましたから、1トンとはいえ同重量であればこの馬が一番強いと思っての本命です。
 
レースは久しぶりにコース横で見ることができました。
第1障害から苦戦する馬がいるほどの超タフな馬場。
刻んで刻んで、第2障害のばんえいポイントにたどり着いた時にはファンの方々から大声援が送られました。
「いいよ!いいよ!」「大丈夫!落ち着いて」「頑張って!!!」
それぞれが応援する馬たちを目の前に、すでに感極まっている様子。
もちろんわたしも、1歩1歩着実にゴールに向かっていくばんばたちと、それを見て全力で応援するファンの方々の熱気に包まれ、すでに号泣。
ばんえい記念はこの雰囲気が特別なんですよね。
 
メムロボブサップが第2障害を越えたところまでは見えましたが、歩いて追いかけたものの、その後の直線の勝負はどうなったかわからず...。
上位馬たちがゴールしても、まだまだ熱気は続きます。
第2障害で苦戦していたアアモンドグンシンとコウテイにエールが送られ、たとえ装具が外されても、立ち上がって帰っていく様子を見守るまでがばんえい記念。
その間、電光掲示板に着順は掲示されません。
コースから馬たちの姿がなくなり、電光掲示板にメムロボブサップ1着という点滅が始まって、初めて勝ったことがわかりました。
メムロボブサップの関係者の皆さま、おめでとうございます!!
 
230320【写真-3】ばんえい記念.jpg
  
改めてレースVTRを見てみると、アオノブラックが先に第2障害を越え、あと少しというところ、僅差でメムロボブサップが1着になったのですね。
この7歳2頭はずっとライバル関係で成長して来て、今ではばんえい界を背負って立つ存在になりました。
来シーズンもライバル同士の名勝負を期待しています。

230320【写真-1】ばんえい記念.jpg
 
メムロボブサップ
阿部武臣騎手
今は勝つことが出来てとてもほっとしています。
ここ近年ない乾いた馬場のばんえい記念だったので、苦戦すると思っていましたし、レースの流れはゆっくりになるだろうと思っていましたが、タイム的には予想していた通りでした。
障害は一腰では絶対に無理ですが、なるべく先に下りて逃げたいと思っていました。
先にアオノブラックが下りてしまいましたが、それでも上手く2番手で下りてくれたと思います。
下りた後は差が開いていたので差し切れないかと思っていましたし、ゴール前で2、3回止まると思っていたので、良く辛抱して1回も止まらず本当に頑張って歩いてくれました。
ばんえい記念だけは他の重賞と違い、特別なレースです。どの騎手も騎乗したい、1着を取りたいと思う、本当に夢のレースだと思います。
来年度に向けて馬の体調と相談しながら少しずつまた一からやっていきますので、これからもメムロボブサップと阿部武臣の応援よろしくお願いします。

坂本東一調教師
言葉にならない嬉しさがあります。
年中通して最高の健康状態でレースに臨めていたので負けても全然悔いはなかったし、主戦騎手が前を向いて調教をしてくれていたので信用して任せています。
第二障害の一腰目で天板に上がった時に勝ちを確信しましたが、二腰目が少し早いと感じハラハラドキドキの展開になりましたが騎手が落ち着いて騎乗してくれたので良かったです。
ゴール前は馬と騎手よりも私の心臓が止まるんじゃないかと思うくらい力が入りました。
今後は、ライバルもパワーをつけてきますし、この馬を目標とした乗り方をしてくると思うのでそれに対応した作戦を考えていかなきゃ行けないと思いますが、馬の状態は100パーセントで出せるようにしていきます。
これからもみなさんに喜びを与えるために私たちも頑張っていきたいと思います。

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