鮫島 克也 騎手(佐賀)
2015年01月29日
キングシャークこと、佐賀の鮫島克也騎手。昨年はスーパージョッキーズトライアルのワイルドカードで見事優勝を果たし、本戦でも第2位と健闘しました。デビューから35年の大ベテランに、昨年の振り返りと、今後の夢を語っていただきました。
2014年は、振り返ってみるとどんな年でしたか?
そうですねぇ...、一番に思い浮かぶのはケガですね。去年は2回も入院したので、それが辛かったです。特に最初の入院はひどかったんですよ。馬が転んで落馬して、すぐに病院に行ったんですけど、打撲っていう診断で。打撲ならっていうことで、その後も調教に乗ったり小倉に遠征に行ったりしたんですけど、もう体が痛くてどうしようもないんですよ。小倉の時なんか、レース中は集中しているし、気持ちも高ぶっているから大丈夫でしたけど、ゴールした後に力が入らなくなって、馬が全然止められなくて...。結局、もう1度病院に行ったら肋骨が5か所も折れてるって言われて、即入院になりました(苦笑)。
5か所も骨折?! よく乗っていましたね。
まぁケガは何度もしていますから、痛みには慣れているつもりですけど、それでも今回はめちゃくちゃ痛かったですよ。2回目の入院は、前に鎖骨を骨折した時に入れたプレートを取るためだったんですけど、もうケガも入院もイヤです。これが一番辛いですから。今年は1年、ケガなく過ごしたいですね。
では、レースに関してはいかがですか?スーパージョッキーズトライアル(SJT)のワイルドカードでは、見事優勝しましたね。
ああいうレースは、乗っていて本当に楽しいですね。地元開催ということで、自分の乗る馬も周りの馬も、能力や脚質がある程度はわかっているじゃないですか。アドバンテージは大きかったと思います。プレッシャーという感じではなかったですけど、地元でやるからには、勝って当たり前だと思っていました。実際に優勝できて嬉しかったです。
SJTワイルドカード第2戦
SJT本戦は惜しくも第2位でした。
盛岡の時は、ちょっとクジ運もなかったかなと思うんですけど、名古屋の時にはいい馬が当たりました。第3戦で勝てた時は、「これは行けるんじゃないか?」と思ったんですけど...。第4戦のクビ負けが大きかったですね。あと一歩だったので本当に悔しかったですけど、でもやっぱり楽しかったです。
鮫島騎手は、ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)で優勝したご経験もあります。WSJSへまた出場したい!というお気持ちは、強いんじゃないですか?
そうですね。あの時は人生分のツキを全部使い果たしたんじゃないかっていうくらいでした(笑)。絶対に忘れられない経験をさせてもらいましたね。またあの舞台に立ちたいですし、そのためにはまず地元で頑張らないと。昔は佐賀もJRA認定競走が多かったですから、WSJSの他にも中央へ遠征する機会はけっこうあったんです。でも今は認定レースが減ってしまったし、権利を獲ってもなかなか遠征に行かないんですよ。中央へ行って乗るっていうのは、ジョッキーにとってすごく刺激になることですから、今年も目指したいです。
最近の騎乗馬についてはいかがですか?
今はやっぱりエスワンプリンスですね。去年は『園田FCスプリント』を勝つことができたし、『JBCスプリント』にも参戦させてもらいました。中央勢には歯が立たなかったですけど、ゲートのタイミングが合った時にはめちゃくちゃ速い馬で、ダッシュ力がすごいんです。ずっと脚元と相談しながら大事に大事に使っているので、明け6歳ですけどまだまだ若いですよ。ただ、最近喉が気になるようになったので、今は北海道で手術をしているんです。帰って来てどのくらい走るか、また楽しみですね。この馬と一緒に、今年もいろいろな場所へ遠征に行きたいです。
エスワンプリンス
長男の良太騎手はJRAで活躍中ですが、もうすぐ次男の克駿(かつま)くんも、JRAでデビューしますね。
そうなんですよ。先日東京競馬場へ行って、模擬レースを見て来ました。騎乗に関しては、まだまだまだまだ...。コーナーで膨れていたので、その辺りのこととか、いろいろ注意しました。競馬学校卒業で一区切りですけど、騎手はデビューしてからが勝負ですからね。長男は苦労しているみたいなので。減量があった時はけっこう乗せてもらっていたんですけど、その後がね。厳しい世界だということは僕自身もわかっていますから、心配な気持ちもあります。でも、次男はおしゃべりで明るい性格なので、上手くやっていけるんじゃないかなとも思ってます。
息子さんがお2人も騎手になるというのは、嬉しいんじゃないですか?
まぁそうですよね。嬉しいことは嬉しいです。自分の背中を見ていてくれたのかなって思いますから。いつか3人でレースに乗ってみたいですね。なかなかJRAに行く機会がないですし、難しいかもしれないですけど。今はそれが夢です。そのためには、1つ1つのレースを大切に乗って、人馬ともに無事に走り続けていきたいです。
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※インタビュー / 赤見千尋