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長澤 幸太 騎手(ばんえい)

2015年02月18日

2009年にはNARグランプリ優秀新人騎手賞を受賞ししている長澤幸太騎手(26)。2月2日第5レースでキタノカツヒメに騎乗し通算300勝を達成しました。

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デビュー7年目に入り300勝。おおよそ50勝ずつしている計算になりますね。

星(50勝の減量)がなくなってから騎乗が減ってしまいました。50勝の後、騎乗停止中に馬に蹴られて怪我をしたし。他の同世代よりは乗ってると思うんだけど、自厩舎の騎乗が多くても頼ってちゃだめ。ほかのところも手伝ったりして、乗る馬を確保しています。

長澤騎手も脅威の新人といわれてデビューしましたが、その後も若手の活躍が続きます。気になりますか。

気にしない。ゲート開けば、上下関係ない。上に遠慮してたら勝てないし。若い騎手は、みんな仲いいですよ。よく、(島津)新と飯行ったりする。

(北海道)浜中町出身で、子どもの頃から馬に乗っていたのですよね。

祖父が馬主、生産者です。家から出た馬で強い馬出ればいいんだけどね。それを夢見てやっているんだろうけど。4月で98歳ですよ(笑)。今だと、ミツボシ、ファーストクラスが走っています。

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今期待している馬はいますか。

テンカトウイツ(牡3)はね、テスト(能力検査)からずっと乗っている馬。小さいけど真面目。ただ、気持ちが強すぎて、レースで空回りするタイプ。ハナ早いんだけど、それだと最後までもたない。こっちは我慢させようとするけど、頭に血が上って止まらない。(兄弟子の)カワ(大河原和雄)さんに「馬ごみ入れて、落ち着かせて乗ってみれ」って言われてから、そのようなレースをしています。
カゲホウトウ(牡4)は、山(障害)が上手なので、来年度からもっとよくなると思います。とぼけてるところがあって、かわいいよ。ああいう、かわいい馬好きなんだわ。でもレースは疲れる......。1、10コースだと人を見るんです。耳があちこち動いて、「はっ!」って顔する。人間に愛想よくて、装鞍所でもおばさんやおじさんに構われてる(笑)。
小学6年の時、初めて馬の扱いを教えてもらったハマナカキングの初年度産駒が2歳で、今年4月のテストに向けて入ってきています。速そう。当時、浜中の馬主さんと砂浜に行って調教しました。海に入っていくんだよ。自分で馬具をつけて走らせたら馬具がばらばら。「ちゃんとしないとこうなるんだ」って怒られた。危なかったですよ(笑)。

テンマデトドケ(2010年イレネー記念など重賞4勝、2013年に急逝)は残念でした。

これから大きいの獲れるから、泡食う必要ないって言ってた。力はあったからね。テレビの『ほこ×たて』でゴムシートやジーンズと対決したけど、余裕余裕。これからって時にね。腹痛で。24時間つきっきりだったんだよ。厩舎のみんなで交代して、点滴見たり。走れなくても種馬になれるかな、って言ってたんだけど。性格はね、こいつもとぼけているんだわ。気分屋でね。初めてのばんえい記念も乗せてくれたし。ゴールできるかな、と思ったけどね。いつか獲れるから、慣れさせるべって出走させた。

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2013年ばんえい記念、テンマデトドケ

初めてのばんえい記念はいかがでしたか。

時間かかって面白いし、人はいっぱいいるし。普通のレースと違う雰囲気。賞金高いしね(笑)。
昨年は、カワさんが怪我をしてキタノタイショウに乗れなかったから、俺が乗るんだべな、って思ってたらまだ早いって言われた(笑)。
カワさんが慣らす馬は、断然乗りやすい。他の騎手も言う。乗ってるだけじゃだめ、育て方も勉強しなきゃ...。いい馬がいても、レースに行くまでも大事。それがうまくいかないんだわ...。調教は、カワさんと半分半分でやっています。うまくいかなくなると、カワさんが「どら、オレやる」って。

銀の匙には、騎乗しているカツラアスリートが出演しましたね。

自分はびっちりと、教える役でした。映画出てないのに(笑)。あの馬は、映画に出た後の方が引っ張ってる。役者だわ。
馬は一頭一頭違って、でかけりゃいいってものじゃなくて、体が小さくても気持ちあれば(活躍できる)。気持ちあるほうが良くなっていくかな。レースでも、普段ぼーっとしていても、ゲート入ったらやる気ある馬もいる。

それってパドックでわかりますか...?

見ててわからない? 顔つきでも、目きりっとしてるよ。

今、ふれあい動物園は工事中で広報馬のリッキーに会えません。服部厩舎にいるリッキーは元気ですか。

元気だよ。偉いわ。「じじ」って呼んでるけどね(笑)。リッキーみたいな馬、これから出てくるんだろうか。聞き分けいいし。イベント中はボロしなくて、トラック乗ったら一気にする。たまに行きたくない日あるけどね(笑)。帰り走って帰るんだよ。

心がけていることは。

俺、ファンサービスはいいと思うよ! 調教見学ツアーの時間には、おとなしい馬をつれていくようにして、そりに乗せてあげる。馬名言ったら気にかけてレース見てくれるし、それで100円でも買ってくれれば。自分が逆の立場なら、馬のこと気になるな、って考える。そりに乗っている時にファンの人としゃべると、ばんえいのことや自分たちの生活が、実際とは違うように思われているのがわかる。何でレースの途中で止めるんですか、とか聞かれて。ばんえいのことをもっと知ってほしい。
パドックも、外をまわって馬をみせるようにしています。(イベントを行っている所属厩舎の)服部(義幸)調教師見てるからね。イベントにも積極的に参加するようにしています。幼稚園行くと、みんな馬にわーーって寄ってくるよ。親は競馬場に来てくれる。このような活動をしているから、馬券も売れてきてるんだと思う。それでも、帯広にいてもまだばんえいを知らない人が多い。
レースでは、2着が多い。取りこぼし多いからな...。勝てると思った馬で勝てない時、一番腹立つね。もうちょっと勝ちたいな。焦ってもなんともならないけどね。

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※インタビュー・写真 / 斎藤友香

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