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川原 正一 騎手(兵庫)

2015年12月04日

現在全国リーディング2位を走る、兵庫の川原正一騎手。デビューから39年、笠松と兵庫でダブル2000勝を達成するなど、数々の記録を打ち立てて来ました。56歳になった今でもパワフルな騎乗は健在。長きに渡って活躍し続ける要因をお聞きしました。

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現在全国リーディング第2位(227勝/11月28日現在)と、今年も活躍していますね。

いい馬に乗せてもらっているのでそのお蔭です。56歳になった今でも十分体が動くし、兵庫では木村(健騎手)や田中(学騎手)が体調を悪くして休んだりしている中で、僕は減量もなくて体には恵まれていると思っています。1つ1つのレースを大事に乗っていることが結果に繋がっているんじゃないですかね。自分ではたいそうなことをしているとは思いません。

デビューから39年です。長く続ける秘訣というのはありますか?

やっぱりもともとの体重が軽くて減量がないっていうのは大きいと思いますよ。もちろん、日々の生活の中で体重が増えないように気を付けてはいます。あとは大きなケガをしないことですね。ケガは後遺症があったり、治っても後々ガタが来たりしますから。

騎乗に対してのポリシーというのは?

自分のスタイルを貫くということです。自分と馬のリズムを大事にということですね。まぁ、基本中の基本ですけど。そこを大事にした上で、この馬にはこういう乗り方の方がいいんじゃないかとか、こういうアプローチがいいんじゃないかとか、スタッフと一緒に考えることも大切です。あとは、これまで培った自分の感覚もプラスαとして付け加える感じですね。

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北海道のランランランで園田プリンセスカップ制覇(写真:兵庫県競馬組合)

川原騎手はテン乗りでも結果を出すという印象が強いです。今年で言えば、園田プリンセスカップのランランランがそうでしたね。

あの時は騎乗前から自信がありました。ただ、向正面に入ったところで掛かってしまって...。あれがなければもっと楽に勝てていたと思います。あのレースは馬に勝たせてもらいました。テン乗りの馬に関しては、まずは調教師や厩務員さんの話を聞きます。どういう性格をしているのか、どういうことが苦手なのか、聞かないとわからないことが多いですから。それで、返し馬で感触を確かめます。これまでのことを教えてもらうのは大事なことだし、それでも日々成長していますから、今日はどんな雰囲気なんだろうと感じることも大事です。固定観念で決めつけず、背中から感じた感触を大事にレースに挑みますね。

いつ頃からそういう考え方になったんですか?

そうですね、ある程度経験を積んで来てからです。最初はただただがむしゃらにやって来ましたけど、たくさんの馬たちに乗せてもらって、背中で教えてもらって。その分、たくさんの関係者にもアドバイスをもらっているわけですから、いろいろ考えるようになりました。30年前にJRAに遠征に行き出した頃ですかね。自分自身の感覚というのを感じられるようになったのは。ただ、それがいい方に出る時もあるし、悪い方に出る時もあります。それが競馬の難しいところで、面白いところでもありますけど。

長年騎乗していますが、「楽しい!」と感じる時はありますか?

もちろん、ありますよ。馬に乗るのが大好きですから。特に、自分しか乗れない乗り方ができた時は楽しいですね。周りから、『川原スタイル』『川原マジック』なんて言ってもらえると気分がいいです。先日の園田チャレンジカップ(ヒシサブリナ)で、久しぶりにそういうレースができました。どんなに経験を積んでも、会心のレースというのはなかなかできるものではないです。僕だって年に数えるほどですから。そういうレースができた時は、本当に嬉しいです。

笠松時代に2000勝、そして兵庫移籍後に再び2000勝を達成しました。そのメモリアルの勝利が園田チャレンジカップでしたね。

ずっとお世話になっている盛本信春厩舎の馬で、会心のレースで達成できたことは最高に嬉しかったです。振り返ってみると、本当にたくさんの馬や関係者のみなさんに助けていただきました。笠松時代も兵庫に移ってからも2000勝できるなんて、なかなかないことですからね。感謝の気持ちでいっぱいです。

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会心の騎乗だったヒシサブリナの園田チャレンジカップ(写真:兵庫県競馬組合)

勝ち続ける秘訣というのは?

一番は強い馬に乗せてもらうことです。そのためには日々真面目に頑張ること、与えられた中できちんと結果を出すこと、関係者に「自分の馬を託したい」と思ってもらえる存在でいることが大事です。騎乗の中では、どこでギアチャンジをするのか。そこを間違えると強い馬でも負けてしまうこともあるし、そこが一番難しいです。

今後の目標は何ですか?

ケガがないよう1つ1つのレースを大切に乗るだけです。競走馬というのは、馬主が調教師に預けて、調教師が厩務員に託して、最後のバトンを受け取るのが騎手なんです。みんなの想いが詰まっているので、1つでもミスは許されないと思っています。僕は今56歳ですが、「年食ったな」とは絶対に言われたくないですね。今は体も昔と同じように動くし、いつまでも若々しくパワフルな乗り方を続けていきたいです!

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※インタビュー / 赤見千尋

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