佐藤 友則 騎手(笠松)
2015年12月15日
10月30日笠松競馬第9レースで、地方通算1000勝を達成した佐藤友則騎手。取材に訪れたこの日(11月26日)は、1日5勝の固め勝ちで年間100勝にも到達し、絶好調の様子。他地区への遠征も多く、その明るい性格からも全国にファンが多い騎手です。今年の活躍の理由などを聞きました。
地方通算1000勝達成おめでとうございます。率直なお気持ちはいかがですか?
今までこんなに良いペースで勝てたことがなかったですし、900勝から1000勝までの100勝は、周りの方のバックアップというのをすごく感じて、とても嬉しかったですね。うまい具合にいい馬にたくさん乗せていただいたり、他場でも乗せて頂いたり、JRAでも乗せていただいいたりと、これまでとは全然違う100勝の内容でした。
デビューから16年目でのこの数字はどう感じますか?
遅いですよね。900勝達成の時は全然納得していなくて、900勝までこんなにかかったのかと。インタビューの際、今の気持ちは?って聞かれて「特にない」って言ったことを覚えています。それまで1年間を通して納得して終われた年がなかったんです。それなのに一回腐ってしまって、騎手もやめようと思ったこともあります。でも、よく考えたら、大した努力もしていないし、何もしていないなって。だから納得して1年が終われるように努力したいと考えてやって結果が、この1000勝なのではないでしょうか。
どんな努力をしたんですか?
これまで体重調整の時、けっこう減量をしていたのですが、普段から体重を2キロ減らしてキープしたり、食生活も自炊で野菜を多く食べたり、トレーニングをしながらも、とにかく体重調整をしっかりするようにしました。
それと、笠松競馬場は調教をしっかり乗っていればレースも乗せてくれる競馬場なんです。それなのに調教にあまり乗っていなかったんですね。騎乗依頼は来るというプライドもあって。でも今のリーディングの吉井(友彦騎手)を見ていると、朝早くから遅くまで調教もこなしているし、挨拶もちゃんとしているし、レース後のコメントもしっかりしている。まず吉井を認めて、そういうところから見習っていこうと決めたんです。自分のプライドやスタイルを捨てて、考え方を全て変えましたね。
そんな中、この1000勝までに印象に残っているレースはありますか?
(尾島)徹が引退して調教師になる時に「僕がトモ君をリーディングにする」って言ってくれたんです。だから、シンゼンライカーという馬で徹の厩舎で初めて勝った時はすごく嬉しかったです。あの言葉を言われた時に思ったのは、絶対に2人でリーディングを獲りたいということ。良い目標ができましたね。
佐藤騎手といえば、遠征をたくさんしているイメージがありますが、大変ではないですか?
休みもないですが、全然大変じゃないです。2、3日競馬がないと体がなまりますし、毎日乗っていた方がリズムもいいんですよ。移動中にすぐに寝られる体質なので、飛行機が離陸するのも気づかないくらい(笑)。それである程度疲れもとれます。
他地区はもちろん、最近はJRAでも多く騎乗されていますが、刺激を受けることはありますか?
JRAですと、多頭数で位置取りの厳しさをとても感じています。笠松だと少し馬がよれても被害を与えることは少ないですが、JRAだと被害が大きくなる。そういう経験もあって、最近では笠松でも常にまっすぐ走ることを心がけています。だから今年は制裁がないと思います。
いろんな競馬場にファンも多くて、横断幕も出ていますよね。気づいていますか?
もちろん、見ていますよ! 本当に嬉しいことです。遠征が増えてから多くのファンの方の応援を感じていて、他場に行った時はすごく励みになります。
来年の目標を教えてください。
まずは、東海リーディング。笠松だけというより、東海といえば佐藤友則と思われたいです。そして、JRAでも二桁勝ちたいです。
これからの目標は?
ワールドオールスタージョッキーズに出て優勝したいです。今は以前と違って予選のワイルドカードがあって、自分にもチャンスがありますよね。その時に言う言葉は決まっているんですが、(2位で出たならば)「予選を優勝して、本戦に出場して下剋上してやる!」って。それでワールドオールスタージョッキーズで優勝して、シャンパンファイトをやりたいです!
では最後に全国の佐藤友則ファンにメッセージを。
最近は、毎週どこかの競馬場で乗っていると思われていると思いますが、乗っているんじゃなく、毎週どこかで勝っていると思われるよう、全国で勝ち鞍をあげていきたいです。周りの支えのおかげで、やっとリーディングを狙えるところまできているので、来年はリーディングを獲ります。全国のみなさんの期待に応えられるようがんばりますので、応援よろしくお願いします!
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※インタビュー / 秋田奈津子