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竹村 達也 騎手(兵庫)

2016年02月29日

2015年は自身初の50勝を挙げ、兵庫のトップ10入りを果たした竹村達也騎手。飛躍の要因、そしてこれからの目標をお聞きしました。

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2015年は初の50勝を挙げて、大きく飛躍しましたね。

ありがとうございます。これまでは一昨年の29勝が最高だったので、自分としては30勝が目標でした。それを途中でクリアできたので、「次は40勝だ!」と思っていたら、50勝までいけて本当に嬉しいです。

成績が伸びた要因はなんですか?

具体的にコレというのはないですけど、一番は周りの方のサポートです。本当に感謝しています。強い馬、勝てる馬に乗せてもらいましたし、先行馬を揃えてもらったので積極的にレースに乗ることができました。これまでで最多勝、最多騎乗、最高連対と数字が上がって、本当にいい1年になりました。

去年はデビューから15年目でしたけれども、今まで培ってきたものが実を結んだという感じでしょうか。

そうですね。自分ではあんまり意識していなかったんですけど、これまでの経験が自然に勝負に活きてきたのかなと思います。でも兵庫は騎手の層が厚いですし、自分自身まだまだなんですよ。今年に入ってからも1月は良かったのに、2月は下降気味で......。まだ波が激しくて、それを自分でコントロールできないでいるのがもどかしいです。

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馬に乗る時に大事にしていることはなんですか?

一番大事にしているのは、「出遅れない」ということです。自分で言うのも何なんですけど、スタートが一番得意で、周りからも先行馬を頼まれることが多いんです。でも、無理に出しているわけではないんですよ。もっと若い頃は「出して行こう」と思って、ゲートの中で馬を真正面に向けて、それで逆に躓いたりして出遅れることが多かったんです。でも今は、「五分に出ればいい」という気持ちで乗っているので、ゲートの中で馬の顔を軽く横に向けているんです。そうすると変な緊張感もないし、馬もリラックスしてくれて、スタートを切ることができるんです。

やはり小回りの地方競馬では、先行できることは大事ですよね。

かなり大事ですよ。まぁでも園田で逃げ切るというのも難しいんですけど。後ろからガンガン来られることもあるし、先行争いに巻き込まれることもあるし。でも、人気薄だとほっとかれてそのままってこともあったり。それに、園田の馬場は毎日傾向が違うので、その傾向を掴むのが難しいです。内を突いて伸びる時もあれば、内は絶対に開けないといけない時もあって。小回りの割に差しも決まるし、面白いコースだと思います。

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竹村騎手はなぜ騎手になろうと思ったんですか?

親父が競馬ファンで、子供の頃からテレビでレースを見ていたんです。一番衝撃だったのは、ライスシャワーの宝塚記念。一瞬で命を落としてしまって、本当にショックでした。その頃から、「もしも自分が騎乗していたら」と想像するようになって、騎手ってかっこいいなと思うようになりました。

地方競馬教養センターの受験はすんなりと?

いえ、1年浪人しました。実は陸上で高校の推薦の話があって、ギリギリまでどっちの道に行こうか悩んでいたんです。中学3年の時に受けたJRAの試験に落ちてしまって、地方競馬の試験を受けようか、高校に進もうか迷いました。でも、兵庫の牧場で働けることになったので、「騎手の道を行こう」と。ただ、視力が足りないということで、レーザー手術を受けることになりました。当時は今のように手術が普及していなくて、未成年には手術はしていないということだったんですけど、「失明の補償はしない」ということを受け入れて手術してもらったんです。

試練を乗り越えてセンターに入所したんですね。

牧場で働いた時にホームシックになっていたので、センターでは大丈夫でした。もしセンターにすんなり入っていたら逃げ出していたかもしれません。1年遠回りしたけど、今は僕にとって必要な時間だったんだなと思います。

デビューしてから3年間は一桁勝利。なかなか厳しい現実でしたね。

僕がデビューした頃は黄金期で、岩田(康誠)騎手や小牧(太)騎手、赤木(高太郎)さん、平松(徳彦)さんもいましたから、今以上にチャンスはなかなかなかったです。一時期は精神的に追い詰められて、騎手を辞めようかなと思う時もあったんですけど、そうするとどうしても負のスパイラルでどんどんネガティブになってしまうので、発想を転換してなんでもポジティブに考えてみようと思いました。それでもなかなか上手くいかなかったけど、去年成績が上がったのは、これまで一生懸命やってきたからこそだと思っています。

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竹村騎手といえば、リジョウクラウン(2010年園田プリンセスカップ、2011年若草賞)とのコンビの印象が強いです。

あの馬はデビュー前から乗せてもらって、最初は脚元が弱くて弱くて、厩務員さんと一緒に試行錯誤しながら調教していたんです。でもいつの間にか強くなってくれて、重賞も勝たせてくれて。あの馬にはレースだけじゃなく、上を目指す調教などいろいろなことを教えてもらいました。いつかまた、あんな馬に出会いたいですね。

では、今後の目標をお願いします。

今年も50勝を目指します。園田は上の層が厚いですが、毎日コツコツがんばって、少しずつでも上に行けるようがんばりますので、応援よろしくお願いします。

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※インタビュー / 赤見千尋

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