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宮川 実 騎手(高知)

2016年03月07日

左目失明という大きなケガを乗り越えて、高知で活躍し続ける宮川実騎手。2015年は105勝挙げ、高知リーディング4位という成績でした。さらに、長年一緒に歩んで来た兄の浩一さんが、騎手から調教師へ転身。新たな局面を迎えた今、その胸の内をお聞きしました。

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2015年は2年ぶりに年間100勝を越え、高知リーディング4位でした。振り返ってみてどんな1年でしたか?

やっぱり年間100勝というのは毎年目標にしていることなので、そこは達成できて嬉しいですね。たくさん乗せていただいたお蔭です。ただ、勝たなければいけない場面で2着になることも多くて......。自分としては全然満足していないです。反省の方が大きい1年でした。

印象に残っているレースは?

ブルージャスティスで11月の土佐秋月賞を勝てたことです。2歳の時に金の鞍賞を勝っているように、すごく力のある馬なんですけど、気性的に難しいところがあって、なかなか勝ち切れずにいました。まだ幼くて、メンタルが弱いところがあったんですけど、上手く呼吸を合わせることができなくて。男馬のように鍛えて鍛えてというタイプではないし、とても繊細なので調教も難しかったです。でも秋になって調子も上がってきて、僕もこの馬のことをだいぶ掴めるようになって、3歳の最後の重賞を獲れて嬉しかったです。1月のレース後登録抹消になってしまったのは本当に残念ですね。これからっていう時だったので。この馬にはいろいろなことを教えてもらったので、それを今後に活かしたいと思っています。

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さらに去年は、兄である宮川浩一さんが騎手を引退して調教師に転身しました。

僕がデビューした時は兄貴はもうデビューしてましたし、ずっと調整ルームも2人部屋だったので、兄貴がいるのが当たり前の感覚だったんです。いつかは調教師になるんだろうなと思ってましたけど、想像より早かったですね。騎手を引退した時はそんなに実感沸かなかったんですけど、次の開催でルームに入った時、1人だったのがかなり淋しかったです。いつも2人でバカ話しながら寝ていたので。今はさすがに慣れましたし、これからは自分がサポートしていきたいなと思います。

宮川調教師は開業してすぐに初勝利(2/17第11Rサンハンプトン)を挙げました。妹尾浩一郎騎手が騎乗していましたが、ご自身が騎乗して初勝利を飾りたかったんじゃないですか?

あの馬は兄貴が騎手時代にずっと乗っていた馬で、一癖あるんですよね。僕も乗せてもらったことがあるんですけど、僕だと調教で引っ掛かってしまって......。騎乗の声は掛けてもらったんですけど、兄貴が引退してからは妹尾くんが調教でがんばっていたので、妹尾くんが乗って勝ってくれて僕も嬉しかったです。自分が乗っていたら、多分違う乗り方をしていたと思うので勝てなかったかもしれませんし。

相変わらず謙虚ですね。

いえいえ。でも兄貴には本当に世話になってきたので、恩返ししたいと思っています。僕がケガをして復帰は絶望的だって思っていた時も、ずっとそばで支えてくれて。兄貴がいたからこそ前向きになれたし、復帰できたんだと思います。だから、初勝利はできなかったけど、兄貴の馬で重賞を勝ちたいです! そういうところで返していきたいですね。

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ケガのお話が出ましたけれど、2009年に落馬事故で左目失明という大きなケガでした。でも今の騎乗ぶりを見ていると、まったくハンデを感じないです。

そう言ってもらえると嬉しいです。自分の中ではいろいろな葛藤がありますけど、それを表には出したくないんですよ。単純に考えて左目失明しているというのは大きな違いなんですけど、でもそれを言い訳にはしたくない。騎手である以上、プロである以上、そこは自分で乗り越えて、周りには見せたくないって思っています。

では、今後の目標をお願いします。

数字的に言えば2000勝ですね。まだまだ遠いですが、このまま1つ1つ積み重ねていきたいです。所属の打越勇児先生は本当にがんばっていて、たくさんいい馬が入ってくるので、僕ももっとがんばらないと。それに、高知は今、永森(大智)くんと赤岡(修次)さんがずば抜けているので、もっと面白くするためには自分がそこに絡んでいかなければと思います。これからも応援よろしくお願いします!

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※インタビュー / 赤見千尋

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