青柳 正義 騎手(金沢)
2021年09月17日
8月24日に地方通算1,000勝を達成した青柳正義騎手。自身2回目の地元リーディングに向け、現在勝ち星トップに立っています。リーディングを狙う意気込みや、近年、毎年のように馬場傾向が変わる金沢の砂、11月に控えるJBCのことを伺いました。
1,000勝達成、おめでとうございます。残り3勝くらいからプレッシャーがあったとか?
ありがとうございます。100勝や200勝はそんなに気にならなかったんですけど、1,000勝となると意識しちゃいました。自覚はなかったんですけど、近づいてくるとプレッシャーが予想よりもあったのかもしれないです。
メモリアル勝利のモアナスターは移籍初戦の馬でした。逃げて4コーナーでは2着の兼子千央騎手に前に出られましたが、激しい接戦を制して勝ちましたね。
調教をずっとつけていて、条件的にも馬の能力的にも勝たなきゃいけないところだったんですけど、男馬で暑さに参っているところがあったので、少し不安な面はありました。4コーナーで兼子騎手に一瞬、前に出られましたけど、馬が頑張ってくれました。直線は「ここで負けたらマズい」と思いました。自厩舎の馬で、一番お世話になっている厩務員さんが担当されていたので、どうしても決めたかったです。ゴールの瞬間はホッとしました。
モアナスターに騎乗して地方通算1,000勝を達成
重賞戦線では今年、ファストフラッシュで金沢スプリングカップを勝ちました。
気性が素直すぎるというか、金沢だとポンと行っちゃうとハナや2番手になってハミを取ってしまうんですけど、去年1年を通してだいぶ成長して、今年はだいぶ辛抱が利くようになったので重賞も獲れたのかなと思います。いまは骨折して回復待ちなんですが、1,000勝目を挙げたモアナスターの弟で、厩務員さんも一緒なんです。
4月25日、ファストフラッシュで金沢スプリングカップを制覇
そんな繋がりがあったとは。現在、金沢ではリーディングに立っています。
まだ今年の後半戦がありますが、去年は大きなケガをして順調さを欠いたので、今年は頑張らなきゃなと思っていました。前半で思った以上に勝たせていただいた分、夏場になって少し勢いが止まり気味ではあるんですけど、後半戦に向けて巻き返していけたらと思います。
金沢は2018年は内ラチ沿いが圧倒的に有利でした。開幕前に馬場改修が実施された2019年、砂の産地が変わった今年と、毎年のように馬場傾向が変わっています。現在はどうですか?
今年は砂を変えてすごく走りやすくなりました。馬も楽そうには走っているんですけど、時計は結構出ていますよね。騎手として一番良かったなと思うのは、砂を被っても痛くないことです。以前は砂の目が粗くてすごく痛かったんですけど、いまは全然気にならなくて、砂を被るのを嫌がっていた馬でも案外辛抱できるようになったりもしています。今のように内ラチ沿いを開けると展開的には乗りづらい面が出てくるんですけど、2018年のようなレースよりは安全だなと思います。
現在の馬場での脚質や展開の有利不利はどう感じますか?
金沢はフラットで乗りやすい馬場なので、2〜3番手での先行が有利で、少々外を回っても大丈夫です。ただ、ペースが速くなりすぎたら差しも決まります。枠は1〜2枠だと、内の砂が重たいので乗りづらい面はあります。
今年は金沢でJBCが開催されます。前回は2013年に行われましたが、当時の雰囲気はどんな感じでしたか?
金沢にあんなにお客さんがたくさん入ったのは初めて見ましたし、あれだけの観客の中でレースに乗るのは騎手冥利に尽きます。1レースから入っている人の数が違ったので歓声もすごくて楽しかったです。
2回目のJBC開催に向けてパドックも綺麗に整備されたようですね。
馬が歩く部分のウレタン舗装を替えて、真ん中の部分も芝生から人工芝に替えて綺麗になっています。
関係者同士でJBCの話はしますか?
もちろん出ます。コロナのご時世なので何とも言えないんですけど、可能であればお客さんは入れたいですよね。
最終的には行政を含め主催者の判断になるでしょうが、コロナを抜きで考えると、せっかくのJBCですからたくさんのファンに来てもらえるのが一番ですね。さて、このあとの目標を教えてください。
いまの順位をキープしてリーディングを獲れたらな、というのと、怪我なくというのが一番です。1年を無事に終えることが成績的にも一番なのかなと思います。
最後にオッズパーク会員のみなさんへメッセージをお願いします。
JBCがあるので、金沢競馬場もどんどん綺麗にしていますし、僕らも気合いが入っています。普段、見ない方でもこれをきっかけに金沢競馬の馬券やレースを気にしていただければ幸いです。吉原寛人騎手もいますし、僕らも吉原さんに負けないように頑張っているので、ぜひとも金沢競馬場の応援をよろしくお願いいたします。
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※インタビュー / 大恵陽子(写真:石川県競馬事業局)