木村 健 騎手(兵庫)
2014年06月18日
タガノジンガロで4月29日のかきつばた記念を制した木村健騎手。兵庫所属馬としては佐賀記念を制したチャンストウライ以来のダートグレード競走勝利を実現。自身としても初めてのダートグレード競走の優勝となりました。(5月17日にインタビュー)
かきつばた記念のゴール前は接戦でした。
最後は余裕がなかったですね。タガノジンガロは外に張るクセがあるんですが、3コーナーでそれが出て、修正するのに必死でした。道中はダノンカモンの後ろで『いい位置が取れたな』と思っていたら、勝負どころで外に張ってしまって。ノーザンリバーの邪魔をしたかと思ってヒヤッとしました。
それにしても最後はきわどいところでした。
いやあ、本当にギリギリ。それでも勝ちは勝ちやね(笑)。チューリップ賞(2010年3月6日JRA阪神競馬場、ショウリュウムーンに騎乗)を勝ったときもうれしかったですが、今回の勝利は格別です。
かきつばた記念(写真:愛知県競馬組合)
タガノジンガロの転入初戦のレース(3月27日)は圧勝でした。
あれ、楽勝という感じに見えたでしょう。でも馬に馬場の真ん中くらいまで持っていかれているんですよ。かきつばた記念のときはハミを替えてもらって、多少はマシになったので最後まで追うことができたんですが。あの外に張るクセさえ直れば、乗りやすい馬だと思いますよ。ただ、そのクセがなければ、兵庫には来ていないんでしょうけど......。
でも、だからこそ、かきつばた記念の結果につながったということも言えますよね。タガノジンガロは、JRAでは中距離で好成績を挙げていました。
でも、牧場からは「短い距離のほうが走る」と聞いていたんですよ。かきつばた記念のときも、成績的に一発があるかもとは思っていました。それにしても園田に戻ってきたら、たくさんのファンが単勝馬券を持っていてくれたのはうれしかったですね。それにサインさせてもらいましたが、ありがたいなと思いました。
そして地元では、今年も田中学騎手、川原正一騎手と、ハイレベルなリーディング争いをしています。
いい刺激になっていますね。順位がどうなるかは、最終日までのお楽しみってことで。でも自分としては、1頭1頭しっかり乗って、ファンの期待に応えるだけだと思っていますよ。腰がいつダメになるか、わからないですし。
それでも木村騎手といえば、全身で馬を追う姿が代名詞です。
あのアクションが僕なんで。あれができなくなったら僕じゃなくなりますからね。本当に1戦1戦、がんばっていくだけです。
タガノジンガロ、さきたま杯の1周目
タガノジンガロは、かきつばた記念のあと浦和のさきたま杯に出走しましたが、7着という結果。木村騎手はレース後、「内にササって追えなかった......」とコメントしていました。
インタビューのとき、さきたま杯については、「(新冠の)タガノさんの牧場は坂路が左回りなんですが、どうもそこでは内にササるらしいんですよ。そこが心配ですね。でも馬の力を信じて臨みたいです」と話していた、その不安が的中する形となってしまいました。とはいえ、実力があることは証明済み。今後は「少し早い夏休み」(新子雅司調教師)に入るそうです。
しかしさきたま杯の1週間後、木村騎手は兵庫ダービーを制して、改めてその存在感を示してくれました。タガノジンガロとのコンビもまた、引き続き期待できることでしょう。
6月5日、トーコーガイアで兵庫ダービーを制覇
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※インタビュー / 浅野靖典