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落合 玄太 騎手(北海道)

2020年07月22日

デビュー3年目の落合玄太騎手は、6月に行われたダートグレードの北海道スプリントカップJpnIIIをメイショウアイアンとのコンビで勝利。地元北海道勢に、同競走では00年オースミダイナー以来20年ぶりとなる栄冠をもたらしました。

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今シーズンはここまで門別では23勝を挙げてリーディング7位(7月9日終了時点)ですが、ご自身の戦いぶりを振り返っていかがでしょうか。

ここまでいい馬に乗せていただき、恵まれた環境にもいさせてもらっているなかで、本来ならばもっと上にいなければならないと思っています。個人的には、今の順位には満足していないですね。

オフシーズンは南関東で期間限定騎乗を行い、10勝を挙げました。何か得るものはありましたか?

競馬場が4場それぞれでコースが違いますし、普段一緒に騎乗しないジョッキーたちとレースに乗ったので、一人ひとりの乗り方の特徴が分からないなか、一からレースを組み立てなければならなかったのが勉強になりました。川崎とか浦和のような小回りの競馬場は普段乗ってこなかったので、特に難しかったですね。浦和は気がついたら位置取りが後ろになることが多く苦労しました。

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10歳のメイショウアイアン(右)で北海道スプリントカップを勝利

6月の北海道スプリントカップではメイショウアイアンとのコンビでダートグレード初制覇。昨年(2着)のリベンジを果たしました。

去年も馬が本当によくがんばってくれたおかげで2着に来てくれたんですけど、あとひとつ着順が上だったら......と考えたら悔しかったんですよね。コーナーでもかなり外を回されてしまって、1着の馬(ヤマニンアンプリメ)からは離されてしまったのは確かですが、2着となるとやっぱり欲がちょっと出てしまったというか。これが3着だったら違ったかもしれないんですけどね。

今年は牧場から帰ってきた当初は状態面も正直なところひと息だったんですけれども、トライアル(5月5日キンシャサノキセキ・プレミアム=3着)を叩いてから調教での動きや体の使い方がどんどん変わってきて、抜群と言っていい状態でレースを迎えることができました。

今年のレースではどのようなことを意識されていたのでしょうか。

いつも通りにはなるんですけど、とりあえず出していって、あとはあまり外々を回って、ポジションを下げないようにすることは意識しました。去年と同じで、砂を被らずにすむ外枠が引けたのはよかったですね。マテラスカイがテンから飛ばす展開になって、ある程度前がバラける展開になって、コーナーであまり外々を回らずに済んだのも、この馬にとっては好都合でした。仕掛けたときの反応や、直線の手応えなんかも、変わらず良かったです。

ゴールの瞬間は、正直勝ったのかどうか自分では分かりませんでした。でもコースから引き上げるとき、マテラスカイに乗っていた武(豊)さんから「おめでとう」と声をかけていただいたので、そこで「ああ、勝ったのかなあ」と。厩務員さんも笑顔で出迎えてくれて、厩舎のみんなでひたすら喜んで、ようやく勝ったことを実感することができました。自分自身、まだ3年目で特に力があるわけでもないのに、こんな大きなレースでこれほどの馬に乗せていただけるなんで滅多にないと思うんです。オーナーさんや先生や、関係者の皆さんには本当に感謝しかないですね。

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それにしても、10歳にしてこの走りというのは驚くべきものがあります。あらためて、メイショウアイアンの良さを教えてください。

オンとオフの切り替えがはっきりとしているところですね。厩舎にいるときや普段の運動では牛みたいにボーっとしていて、誰でも乗れる乗馬みたいな感じなんですけど、追い切りやレースになると、ガチッとハミを取って走ってくれるんです。無駄な力を使わないのは、競走馬としてすごく大事な資質なんじゃないかと思います。

グランシャリオ門別スプリント(7月2日)は2着でした。

去年も不良馬場でレコードタイム(58秒6)で勝っていましたし、状態も前走くらいの高いレベルをキープしていたので、期待はしていたのですが、勝ったアザワクは軽量(51kg)でしたし、スピードも一枚上でした。去年と同じくらいの上がりの脚(上がり3ハロン34秒6)を使ってくれて、この馬もよく差してはいるんですけれど、ポジションの差も出てしまいましたね。ただ、やっぱりこの馬にとってのベストは1,200mなので、負けたのはもちろん悔しいですが、結果に関してはそんなに悲観しなくてもいいのかなとも感じています。

次はクラスターカップ(8月10日、盛岡競馬場)ということになると思います。また強いメンバーを相手にしなければなりませんが、いつも一生懸命走ってくれる馬ですし、相手が強くなった方がこの馬の持ち味が生きるんじゃないかと期待しています。

今年は所属の田中淳司厩舎の勢いが凄いですね。騎乗している2歳馬のなかで、特に期待している馬を教えてください。

短いところで言えばトンデコパですね。栄冠賞では11着に負けてしまいましたが、抜群のスタートセンスとスピードを見せてくれました。レースを使っていくうちに少し気持ちが入ってきたかなとも思いますが、それでも乗り手がコントロールできない範囲ではないですね。次の牝馬重賞(8月12日、フルールカップ)は1,000mなので、この馬にとってはベストな条件だと思います。

長い距離の馬で言えば、シビックドライヴですね。能検の走りから「長いところの馬だな」とは思っていましたが、2戦目の1,700m戦で変わり身を見せてくれました。しまいの脚もしっかりしていますし、相手が強くなってもがんばってくれるんじゃないかと思います。牝馬だったら、5月28日のフレッシュチャレンジ(1,500m)を勝ったケープホーンも、競馬が上手な馬ですね。

厩舎の2歳馬には、乗り慣らしを含めてもひととおり乗っていますが、今は自分が乗ってレースに行く馬はできる限り自分で調教をつけているという感じです。今年はJBC2歳優駿もありますが、まずは1頭1頭が目の前のレースを勝てるように、先生とも相談しながら調教を進めているところです。

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4月23日のフレッシュチャレンジを制したトンデコパ

今シーズンもいよいよ中盤に入ろうとしています。今後の目標を教えてください。

まずは勝ち星を重ねて、去年(北海道で63勝)以上の勝ち星を挙げたいですね。まだ2歳重賞を勝ったことがないんですが、今年はチャンスのある馬に乗せていただいているので、結果を出せるようにがんばっていきたいです。もちろん、メイショウアイアンもそうですし、古馬も楽しみな馬がいるので、そういった馬たちでも大きいところを狙っていきたいと思います。

リーディング5位以内に入れば、また南関東への期間限定騎乗という道も見えてくると思います。

リーディングの順位は、ジョッキーみんなが意識しているところだと思います。5位以内とは言わず、ひとつでも上を目指さなければいけませんし、そのためにはレースの大小にかかわらず、ひとつひとつ勝ち星を積み重ねていかなければなりません。

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今シーズンのホッカイドウ競馬は開幕からずっと無観客競馬が続いていますが、馬券の売り上げは極めて好調です。応援してくれるファンの皆さんへメッセージをお願いします。

こういった大変な状況のなかでも、馬券を買って楽しんでくださり、とても感謝しています。これからもファンの皆さんに楽しんでいただけるような競馬をしていこうと思います。

無観客競馬というのは、レースそのものには直接的な影響はないと思いますが、やっぱり盛り上がりに欠けますよね。パドックでもコースから引き上げるときでも、お客さんがいてくれた方がいいですね。ファンの方も早く生で競馬を観たいでしょうし、僕も早くたくさんの方に競馬場に来ていただけるようになってほしいです。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

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