金沢
2024年11月03日
長距離歓迎ケイアイパープルが決めるか「北國王冠」(金沢競馬)
土、日、火曜日の変則日程で開催されている今週の金沢競馬。3日(祝・日)のメインカードは最終第12レースの「第72回北國王冠」(金沢競馬場2600メートル)で、地方競馬最長距離で争われる地方全国交流重賞に今年は北海道から2頭と高知から3頭、浦和、名古屋、兵庫からそれぞれ1頭ずつの計8頭のスタミナ自慢たちが金沢に集いました。
遠征勢でまず注目を集めるのは、北海道から参戦してきた◎7 ケイアイパープル(牡8、北海道・小野望厩舎)です。中央8勝の元オープン馬で、主にダートグレード競走で活躍し、2年前の白山大賞典JpnIII(金沢2100メートル)を制しています。北海道に移籍したのは今年5月で、転入3戦目の今回と同じ2600メートル戦で争われた門別のオープン特別で後続を大差引き離す圧勝劇を演じています。ここ2走のA1戦は1800メートル戦で2、3着と取りこぼしていますが、再び2600メートルに距離が延びるならステイヤーの特性をフルに発揮できます。2周目で早めに先頭へ立って後続を引き離すことができれば金沢で2つ目の重賞タイトルに手が届きそうです。
浦和から参戦の○6 カイル(牡5、浦和・小久保智厩舎)は2年前の東京ダービー(大井2000メートル)の覇者で、古馬になってからは2000メートル以上の長距離戦に活躍の場を求めて笠松のオグリキャップ記念(2500メートル)にも遠征しています。ここ2走は掲示板外続きですが、昨年大井の2600メートルで争われた金盃を制している実績から距離適性は高く、2歳時の兼六園ジュニアカップ(1500メートル)以来となる金沢コースになりますが、変わり身が期待できそうです。
名古屋の▲4 アンタンスルフレ(セン6、名古屋・角田輝也厩舎)は2年連続でこのレースを制しており、今年は3連覇がかかります。ここ目標にイヌワシ賞、白山大賞典と金沢遠征を積み重ねて徐々に調子を取り戻してきており、直前の追い切りではピーク時を思わせる抜群の動きを披露しました。ここ2年に比べてさらに相手は強くなりましたが、他馬を抑えて早めに先頭へ抜け出すことができれば、同一重賞3連覇も夢ではありません。
北海道の△9 ブラックバトラー(牡3、北海道・田中淳司厩舎)は2600メートル戦初挑戦となりますが、未知の魅力があります。前走のジャパンダートクラシックJpnI(大井2000メートル)では11着でしたが、北海道の3歳三冠レースですべて連対している実力から、地方馬限定の交流重賞なら見直しは必要です。発馬を決めて先団に食い下がって行ければ前残りがあるかもしれません。
兵庫から参戦の△1 サンビュート(セン7、兵庫・田中一巧厩舎)は2600メートル戦の経験がこれまで5戦と豊富で、北海道で3勝を挙げています。2カ月ぶりの休み明けとなった笠松のオータムカップ(1900メートル)でも2着と連対しており、得意な距離でさらに上積みがあっても不思議ではありません。
(文/中部地方競馬記者クラブ)