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脇本 雄太選手

2022年05月24日

大きな怪我を乗り越え、GI戦に復帰した福井の脇本雄太選手(福井94期)。自身にとって今年初出場となった第76回日本選手権競輪(GI)。喜びの声を伺いました。

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大津:日本選手権競輪優勝おめでとうございます。

脇本:ありがとうございます。

大津:お気持ちはいかがですか。

脇本:今年は特に出場出来るGIは少ないというのもあって、より優勝したいという一心で練習をしてきたので、そこで結果を出せたのでホッとしているというか純粋に嬉しいです。

大津:今回のダービーにはどのようなテーマで挑まれたのでしょうか。

脇本:ラインでしっかり決めて決勝に乗ろうと思ってました。
決勝に関しては最後ラインで決めることは出来なかったのですが、勝ち上がりの段階ではしっかりとラインで決めることが出来たので自分の中では目標として一つ達成出来たのかなと感じています。

大津:GIの勝ち上がりで全てライン決着というのは並大抵なことではないと思います。

脇本:そうですね、特にいわき平競輪場というのも先行で決まりにくいバンクですので厳しい戦いにはなるなとは思っていたのですが、それも自分の中で跳ね除けた上でレースをするっていうのが出来て本当に嬉しく思います。

大津:4月はFIを2本走りました。ダービーを迎える状態面はどうだったんですか。

脇本:4月は6走中5走が番手戦だったので、調子も含めてレースに対する意気込み自体がちょっとずつ変化してるのかなと感じていたので、正直不安はありましたね。

大津:本音としては全6走自力で走りたいという気持ちでしたか。

脇本:それはありましたが、でもそれを言ってしまうのと僕のワガママになってしまうので「任せてください。」って言った意気込みには応えていこうと。

大津:前検日に競輪場に入った時には、どんな感情が湧き上がってきましたか。

脇本:ダービーに関しては参加人数の多さも普通の開催とは違いますし、トップ選手が沢山いる中で僕がそこに入れたってことに対して、ようやくこの舞台に帰ってきたんだなという思いはありました。

大津:今回の舞台はいわき平競輪場でした。脇本選手はバンクの相性は気にするタイプですか。

脇本:バンクの相性はそこまで気にしないのですが、大会の相性というのは凄く気にするタイプです。ダービーは2019年には松戸で完全優勝もしたこともあって相性は凄く良いと感じていました。

大津:初戦ですが、これぞ脇本選手という競走を見せました。

脇本:僕が走るまでのレースで先行逃げ切りを含め、先行選手が苦戦していたので「うわっ、大丈夫かな。」という心配はありました。レースは後ろ攻めになった時点で先行しようと決めました。
ただ、前受けになって引くタイミングが遅れたりしたら捲りに構えていたかもしれないです。

大津:脇本選手から三谷選手(三谷竜生選手・奈良101期)への2車単が1.5倍と圧倒的に支持を集めていました。

脇本:GIだとしても僕に対するオッズって関係ないんだなって思いました。
僕が今年復帰した奈良記念でもそうでしたが、オッズが極端になりがちなのでそれに応えなきゃいけないんだというプレッシャーはあります。

大津:選手によってはオッズは見ないという方もいますが、脇本さんは確認するほうなのですか。

脇本:見ようとはしてないんですが勝手に目に入っちゃうんですよね。でも、だからこそ目を背けることはしないです。自分を支持してくれるオッズときちんと向き合うようにしています。

大津:初日走り終えて感触はいかがでしたか。

脇本:状態は良くなかったです。レースが終わった後にブレスコントロールの時間が10分間あるんですが、10分では息を整えるのが足りなくて起き上がれずに倒れこんでしまってました。おかげで勝利者インタビューでは迷惑をかけてしまいました。

大津:2走目は4日目の5月6日でした(1走目は3日)2日間走らないというのは影響はありましたか。

脇本:予選スタートだったので、2次予選は3日目か4日目というのは分かっていたのですが、それでも3日目の2次予選の番組に自分の名前がなかったので緊張はしましたね。あっ、自分が最後なんだって。

大津:レースを走らない間はどのようにして過ごしているのですか。

脇本:その日は走らないからといって身体をケアしたり休ませたりしようとはせずに、もし仮に今日僕が走るとしたら、というのを想定して一日を過ごしています。睡眠のサイクルなどが崩れるのが一番まずいと考えているので、そこだけは絶対に崩さないようにしていますね。

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大津:決勝戦を迎えるにあたり、節間の中でポイントになったレースはありますか。

脇本:初戦のレースですね。初戦を先行でクリア出来たことで2次予選、準決勝を先行で頑張ろうという心意気になりましたし、先行出来たことで他のラインに与えるプレッシャーも大きくなっていったんじゃないかというのはあります。

大津:決勝戦を走るにあたって、それまでのレースと心や身体の違いはありましたか。

脇本:心の違いがありました。先行に対する恐怖心がなくなったので、そこが大きかったですね。

大津:決勝はどこがレースのポイントになっていくと読んでましたか。

脇本:やっぱり眞杉君(眞杉匠選手・栃木113期)の動きですよね。レースの展開上、間違いなく僕が後方の7番手になりますから、そのタイミングで眞杉君がどういう走りをするのかって考えてました。

大津:その眞杉選手ですが早めに仕掛けていきましたね。

脇本:赤板の2コーナーくらいからフルスロットルでしたね。あれだけ踏まれるとジャンのタイミングでは僕の中では行けるところがなかったです。

大津:そこからはどのように考えていたんですか。

脇本:自分が行けるってタイミングがジャンの4コーナー過ぎであったんです。ここで仕掛けないと後悔するぞってところが。でも行く場所としては最悪でした。
だけど実際に直線で全て乗り切らないといけないってありましたから、横に強い選手があれだけいる中でコーナーで自分が外にいるのは不利になりますからね。
不利な状況を作らないように走るっていうのは僕の中でもポイントだったので、あそこで仕掛けていきました。

大津:そこからは壮絶な踏み合いになりました。

脇本:平原さん(平原康多選手・埼玉87期)を通過しないと優勝は絶対にないって思っていたので、平原さんから肩が一個出た瞬間くらいから全く余裕がありませんでした。それだけお互いが力を出し切った証拠だと思いますし、良い勝負が出来たと感じています。

大津:ゴールした後というのはいかがだったのでしょうか。

脇本:正直目を開けていられませんでした。余裕がなかったので自分がゴールを通過して2コーナーくらいでようやく優勝に気づいたって感じです。

大津:レースが終わった後に佐藤選手(佐藤慎太郎選手・福島78期)や荒井選手(荒井崇博選手・佐賀82期)から声をかけられていたようにも思うのですが。

脇本:おめでとうって言ってもらいました。同じ地区や同じラインの人なら祝福してくれるのも分かるのですが、他地区で敵として戦ったラインの選手から祝福をもらうというのは本当に嬉しかったです。お互いが良いレースをして全力を尽くしたら、敵だとしても相手を称えたいっていうのは僕の中でもあるので他の方からもそのような祝福をもらえて良かったです。

大津:少し話が逸れるのですが春日賞では宿口選手(宿口陽一選手・埼玉91期)にアドバイスを送られたそうですね。

脇本:他地区だから強くなる方法を教えないってのは僕の中にはないんです。お互いが強くなるために情報交換をしあって競輪界が盛り上がっていけば良いなと。
自分だけが強くなれば良いじゃないと思うんですよね。皆で強くなったほうが、観てるお客さんも楽しいじゃないですか。僕はそういうのも目指してやりたいなって思ってます。

大津:シリーズ通してファンの声援はいかがでしたか。

脇本:徐々に僕に対する声援が大きくなったイメージはありました。
初めてタイトルをとったいわき平競輪場だから所縁もありますし、去年古性君(古性優作選手・大阪100期)と決めたオールスターもここでしたから、自分にとって何かしら縁のある競輪場だなと思ってました。その中でお客さんが盛り上げてくれて嬉しかったです。

大津:大きな怪我を乗り越えてのタイトル獲得となりました。

脇本:怪我から復帰しての優勝、と特にドラマチックには捉えてないです。常に怪我する前と同じ感覚でレースを走っているという気持ちがありますので。
ただ、その中で目に見える形として結果を残せたのは良かったです。

大津:これでGP出場も決まりました。

脇本:ダービーを獲ったからといって自分自身満足することもないですし、まだ前半戦も終わってませんから。
今年は出れるGIも少ないので自分の出来ることをやった上でGPに向けて、身体をしっかりと作っていこうと思っています。

大津:最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いします。

脇本:僕にとって今年最初のGIで優勝することが出来て嬉しいんですけど、この結果に満足するのではなく、今年S級1班で特別競輪や記念競輪だけではなくFI戦も走る中でしっかり自分の走りをアピールし、年末のGPで勝てるように調整していきたいと思っています。

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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

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